今週の好ましかった三つの詩/生田 稔
 
石瀬琳々、悠詩、L-Yurika☆の詩



夏へ
石瀬琳々

 感覚のすぐれた詩である。ともすれば平凡な言葉を上手に使いつつ、淡い印象の四つの連。それぞれの連のはじめの行が、連を改めるごとに、新しく発想したであろう表現。詳しく見ると各連が互いに関連しあって、「貴方にめぐり逢える、そんな気がして」と結詩され、淡い々々詩想が本当に心地よい詩ではなかろうか。

車椅子の背中
悠詩
 詩を書くことに疑問、そして求めても得られない詩の真実に、ややも失望しながらも、物理のような理論では決定的な解の得られない学問と詩との接点に立ち、シュレーディンガー方程式の井戸・、越えられないポテンシャ
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