哲学的人間(その2)/生田 稔
であろうか。
こんなことも考える.ただ空想だからほっておいてほしいが。人間が何兆と言う小生物の集まりであるように。初めいわゆる独りでいた神も、無数の微小生物の集まりであったかもしれない。そうすると我々のように原子の構造までも追及してゆく能力と意欲に恵まれた存在は、神とともに初めから存在していた個人個人であつたのではないか。
そうだから、歴史はどうなるかと言うことに、思弁を推し進めてゆくと。我々は不滅である。すくなくともイナゴのように無視されてもよいものではない。
田辺元という哲学者は、長い思索と思弁の結果、「私は死にません」と会う人ごとにもらしたという。
その話しを妻にきかせたら、
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