哲学的人間(その2)/生田 稔
 
 1.
 
  

 自然と神につき、ふとふと考え始めた。神を見出しえたが、自然が先か神が先かという少々大それた空想に陥ってゆく。神に全能という言葉を正確に当てはめうるであろうか、神でさえ自然の束縛下にあるのではなかろうか。
 聖書は神の言葉であることで有名である。ずーと読んでゆくと、神はきわめて感情的な方であることが解る。
 それは、聖書に記録されている、禁断の木の実。そして、アダムの子、カインとアベルに起こった事件。そう多くの事件をとりあげずとも、神が感情的であることは、この2つの事例をを論ずるだけで十分である。
 大概の人はこのことの裏を考えたがる。わたしもそうだ。我々が何事に
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