FREE FORM/はらだまさる
 
     土と、君の温度の差異に凍えそうだよ。
   汗と琵琶湖の水分と、比良山の稜線がいっしょに蒸発する。
          そんなに怖い顔をしないで。
      拡声器からは下手な和太鼓が、
             こんなに近いのに、すごく遠くに感じる。
     キュービズムの、キャラメル色の、炭酸水。そんな感じで
                  あたしは、君の宇宙になれなくて
       いつもギターみたいな弦楽器を破壊して。
                    君は、あたしの太陽ぢゃなかった。
      ぼくらは、稲穂のなかで(泥のついた皮膚を拭って、
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