樹海/円谷一
る 君の目(心)は深い森の中を既に潜り込んでいる 何処まで進んでいるのか分からない 目を光らせ ハクビシンのようにじっと息を殺して闇の中に潜んでいる 何時になったら動き出すのか分からない きっとその場所で実際に進んで 越えた時にどんどん想像が広がっていって四方八方に飛び散るのだろう おばあさんが焼き魚に味噌汁 たくあんに白飯を用意してくれた 食べ物の湯気が顔にかかって朝の湿っぽい空気がそれを冷やしてくれた 丁寧に頂きます と言うとお腹が空いていたのか君と顔も合わさずに黙々と食べ続けた 大根の適度な歯応えが良かった 大根4分の1分は食べたような気がする この漬け物とてもおいしいですね と言うとおばあ
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