The Poetic Stigma/岡部淳太郎
 
心に従って、今日も変らず詩を読んで詩を書いている。
 詩を愛する君の心には、いつのまにか何やらわけのわからないものがこびりつき始める。それは普段の日常生活では気にするほどのものではないのだが、時にふとした拍子に、たとえば「群衆」が行き交う雑踏の中で淋しさを感じたり、失敗や失意にうちひしがれて倒れそうになったり、そんな時に君の心からゆっくりとにじみ出てくることがある。詩に囚われたがゆえに心にまとってしまった、詩を愛する「しるし」。それは詩と無縁の人々から気味悪がられ、詩人であるがゆえに君を遠ざけ、「社会」や「生活」の枠から外へ君を排除しようと働く力を彼等に発揮させる、一種の「焼印」のようなものでも
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