置き去りカンバス/悠詩
コドモになるのが恐い大人
そして虚勢が文字通りになっていき
ないものねだりに自己嫌悪
ないものねだり?
それは本当にはじめからなかったの?
夢を与える振りして
興醒めした振りして
持っていたものも
持っていなかったものも
時がヒトを変えるだなんて
そんなことあなただって
思いたくないんでしょ?
+ +
ここで翼とたてがみを得た気分になっていた時から
描き手はこの世界に別れを告げ
ひとつ上の世界に堕ちていったのかな
「忘れているから忘れ物」なんて
へんてこな理屈に頷いた時から
この世界は忘却に蝕まれ始めたんだ
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