幸福の木〜飛砂/鯨 勇魚
 
天井でした
ぼくはあなた達より 目線が低すぎた
高い天井でした
あなた達には もう低すぎた

自動的に生まれた僕は
所有されていた僕はうつむき
這うインクを掬うように汚れ
最後の涙は藍色に混ざり存在を見失う

(詩を怨みました)

硝子ごしに見つめた芝生は山羊のようで
わだかまりを咀嚼し続けているから口許から零すしかない言葉は
群青に染まりつつある
いけない!と、窓から飛び出したなら
広すぎる空間
自ら放り出した精神と理解間違い

(おまえはどちらに行く)

寝巻きで紅茶を眺め
対流に巻く空気が僕を咳き込ませる
心と頭の容量が一杯になり
我が家から溢
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