グラデーション/悠詩
み出す無感動な勇気と
足を竦める真剣な迷いの間に
幅ゼロの直線なんて存在するだろうか
指先でなぞった物差しに
違和感を覚えたところで
それがおとなびたあのひとや
無邪気なあのコと同じであることは決してなく
重ね塗り
わたしの小さくも恭しい迷いは
曲率を忘れた夜にいない大勢のひとたちの
重ね塗り
の中に漂っている
平行線の中に
曲率を伴った曲線が
うねって
あるいは渦を巻いて
あるいはユークリッド平面を飛び出して
あるいは時間変化をして
でも絶対に連続である
連続でなければならない曲線が
無意識に作り出した曲線が
信頼すべきわたしの曲線が
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