グラデーション/悠詩
ている青信号は
誇らしげに平行線の彼方を眺めて
歩道橋は青信号と仲良し
苛立たしいほどにわたしを挑発している
悔しかったのでそれを背景に縛りつけ
ハイライトで輪郭をぼかしてやった
鞄から溜め息が漏れる
赤い目と対峙
足音は刻まない
刻まない?
刻めない?
ヘッドライトもテールライトも
なりを潜めているのに?
目の前を音速ステルス機が横切るかもしれないから
わたしは意識のないまま
わたしは世界から見られないまま
刹那にして透明になるかもしれないから
+ +
すこやかな意志が掟を決めるのなら
それは脆弱で流動的で
足を踏み出
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