グラデーション/悠詩
 
ている青信号は
誇らしげに平行線の彼方を眺めて

歩道橋は青信号と仲良し
苛立たしいほどにわたしを挑発している
悔しかったのでそれを背景に縛りつけ
ハイライトで輪郭をぼかしてやった

鞄から溜め息が漏れる
赤い目と対峙
足音は刻まない

刻まない?
刻めない?
ヘッドライトもテールライトも
なりを潜めているのに?

目の前を音速ステルス機が横切るかもしれないから
わたしは意識のないまま
わたしは世界から見られないまま
刹那にして透明になるかもしれないから


 +   +


すこやかな意志が掟を決めるのなら
それは脆弱で流動的で
足を踏み出
[次のページ]
戻る   Point(15)