マミについて/ワタナベ
 
と白い月に変換されて
あて先違いで戻ってくる

そうさマーミー
悲しい詩を詠ってはいけないんだ
どんなに変換され
いびつな形になって戻ってきても
僕は発信しつづける
そして僕は造花や白い月の白昼夢に包まれて
本当のメールを受け取ることを
ずっと待ち続けて

仕事からの帰り
マンションのいつもの部屋に灯りがともっていないことに気づく
あわてて階段を駆け上がり
息切れした声で名前を呼びながら
合鍵でドアを乱暴にあけて部屋の中へ駆け込む
泣き声が部屋の隅のほうから聞こえる
その声を唯一の手がかりにして
かすかにのこったぬくもりに触れる
急に足場をなくして
どこま
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