マミについて/ワタナベ
こまでもどこまでも落ちてゆくような
造花や白い月の夢
わかるよ、と言うために必要な勇気は
僕の持つありったけのぶん
だけどマーミー
悲しい詩を詠ってはいけない
僕たちはどんどんお互いをはだかにする
どんどんと、たまねぎの皮をむくように
ふたりがぬくもりと、一滴のなみだになるまで
そうして僕たちが幸せについてささやきあうとき
造花や白い月の夢を抱えながら
幸せについてささやきあうとき
声はぬくもりのなかへ溶けてゆく
マーミー
僕たちは悲しい詩を詠わない
発信しつづけ、はだかにしあいながら
詩は、そう
大気に
高原の白い花も
くるぶしをくすぐる雲も
造花や白い月でさえも
そう
大気に
そして僕たちが幸せについてささやきあうとき
僕たちはぬくもりに
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