横書きを愛している/蒸発王
 
ば確実に縦書きがしっくりくる。だいたい詩集にした時めくりにくいし。

しかしネット詩の場合、私は横書きを愛している。

縦の広がりではなく横に広がる地平線のイメージ
降り注ぐ雨ではなく
霧のように広がり、たなびく

雲の言葉

そこに言葉にできない気持ちの日が浮かび、夕焼けになるか朝焼けになるのか宵闇になって群青に染まるのか。無限の広がりと世界がゆるやかに読む人を包む。引きずり込むような力強さは無い、まっすぐに突き刺さったりしない、しかし柔らかく周りを覆い何時の間にか侵食する。呼吸さえ、蒸発するほどに。そしてそこ其処にゆっくりと降る雪のような言葉。
横書きの詩は、地平線に降る
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