月下美人/悠詩
あまりに冷たすぎて
凍えないようにと
毎日飽きんばかりの暖かさを
与えていたのに
たった一度の不注意で
君は深く傷ついて
挿木をも失敗し
必死の看病もむなしく
変わり果てた君の姿が痛々しく
苦しみの叫びがとても痛々しく
僕は君の命を絶った
真っ赤な血がこの手を伝っていった
たったひとひらのお札で出逢った君と
ずっと過ごした三ヶ月間に
いったいどんな価値があったのだろう
愛は偽りじゃあなかった
でもたったひとひらのお札で
新しい愛を
あるいは慰みを
手に入れられると気づいた時に
惜しみない愛は嘘になった
わかっていた
たとえ君が苦しん
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