寂しい午後/円谷一
いて街のタワーに墜落する
飛び起きようとする しかし体が動かない
藻掻いて助けを呼んでいると 遙か彼方からキキがブラシに乗って水をかけにくる
ハッ と目を覚ますと顔に水がかかっていたわけでも おもらしをしていたわけでもない…
時計を無意識に見て 空を見てみると 太陽が昼に馴染んでいて見ているだけでも外の気温が分かるようだ
そっと布団から出て空を黙って見てみる 自転車が呼んでいる気がした
着替えて外に出てみると暖かい風が顔を撫でる 季節の匂いがした 自転車に跨って あてもなく進んでいった おもちゃ屋の横を通り過ぎた
米屋を通過して サイクリングロードに入って行った しばら
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)