無伴奏/悠詩
 
ら漂っているのが
心地よくて
アンサンブルの片隅に
無色透明な刺繍を施していくのが
お似合いなわけで


音程がゆらゆら
影法師を踏まれて身をすくめる
息が絶え絶え
鼓動が点滅して身が震える

小さな存在がどんなに努力しようとも
横糸には短すぎて
ほつれた糸は見苦しいからと
切り取られる運命

辞めればいいって?
それはもっと恐い
みんなと同じ世界を見ていたい
苦労して見つけたタノシクナイ?的なことに
しがみついていたい
ひとりになると溶け出すメロディーもなくて
不器用な歌をうたっても
たぶんそれは校庭にぽつねんと佇む鉄棒のように
不気味に
目立
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