自己を愛するための/佐々宝砂
読んで考えた。答などでるわけがないことについて考えた。いまもって結論なんか当然でていないが、ひとつわかったことがある。自分を多少なりとも好きになれないようじゃ、人間、生き延びることすら難しいのだ。せめては、自分の存在くらいは自分で認めてやれるようにならなくちゃ、生きてゆくのはたいへんなのだ。自分で自分を認められないと、他人に認めてもらいたがり、場合によっては「自己愛的誇大妄想」というやつになったりするし、あるいは私のようにある一人の人間(ジム・モリソンでした)を熱烈崇拝し、熱烈崇拝する自分を認めることによって紆余曲折の果てにどうにか自分の存在価値を見いだせるようになったりする。北大路魯山人や岸田劉
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