自己を愛するための/佐々宝砂
田劉生みたいなトンデモナルシストになる必要は全くないと思うけれど、ある程度の自己愛は必要だ、生きるために必要だ。
まず、生きること。居場所がないなんて思えたら、居場所を作れ。今の時代なら自分で作れるぞ、少なくとも、ウエブの上になら自分の王国を作れる。でも、常に自覚していなくちゃだめだ、自分は万能ではないということ、自分は間違えるということを。そうして、わすれないでいてほしい。万能でなくても、ビンボーでも無職でも自殺未遂経験者でもひきこもりでも間違いまくりの人生でも、それでも、誰にでも生きる権利はあるのだし、自分を愛する権利もあるし、誰にでも居場所は必ずあるのだということを。
こういうのは、詩以前の問題だと思う。でも、詩以前の問題が世の中にはたくさんありすぎる。詩では伝わらないこともある。だからあえて、散文で書いた。私は相田みつをにゃなりたくないのだ。
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