「用意していたナイフ」−大覚アキラ「水族館」/木葉 揺
って呟いた
銀色の鱗を
ミラーボールみたいに
輝かせながら
おそらく
あの鰯たちは
力尽きて死ぬまで
果てしなく
グルグルと
あの水槽の中を
回り続けるのだ
外は
雨が降っているような
気がする
さあ
そろそろ全部
終わりにしないか
}
「回り続ける」「終わりにする」からは色々なことが想像できる。
一つの人生に対しての終わりかもしれないし、輪廻に対しての終わり
かもしれない。しかし、ここでは個人的に一番強く浮かび上がった
「一つの人間関係(恋愛)に対して」という読み方で進めてゆく。
鰯の群れの回遊は、
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