詩のキュビズム/円谷一
 
居場所を無くした哲学者達も塊の世界に入っていった
 思考のからくりがキュビズムになったかどうかは分からない
 とにかくもう人間じゃない
 科学者達は塊を破壊する計画を進行させていた
 原爆で
 まっすぐと地球を見るだけで様々な側面が分かるのだ
 だが大きくなりすぎた塊はそんなもんじゃびくともしなかった
 地球に普通サイズの茸が生えるだけだ
 夜の時間が多くなった
 地球からは数え切れないほどの原爆ミサイルが発射され続けていたが
 花火だと言って世界中の人々が争いを一旦止めてその光景を見ていた
 やがて放射能を含んだ雲が地球を覆い 黒い雨が激しく降り続けた
 生物はこれは神の
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