狗尾草/atsuchan69
ハイウエイを 白い光が流れる、眩しさに
つい、さっきまで 激しく踊った サルサの夜の
緋色のドレスの女が 助手席から身を乗り出し
果てしなく 毒舌を放つ、「終」への招き
エレガントな仕草で残虐なアソビを 片手に
無差別に視線を浴びせる、あまりにも純粋な瞳。
閃光を放つ、二十世紀の幻影。
予告殺人の舞台に ひとり佇むカリガリ博士みたいに
おまえは今夜も、薄汚い麻袋を生贄に被せて
古代シュメールの呪術をふたたび執り行うつもりなのか?
エンドレスのよう感じられる光景を限りなく追い越しては
高度なテクノロジーに覆われた
しなやかな硝子の小部屋が全速力で夜を奔る
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