零れ落ちた太陽の下で/結城 森士
 
くりと包む
海に落ちつ
潮騒は孕む
夢、
風、
太陽は、
海に落ちつ…





…朝色の水彩絵具が一滴だけ落ちて
鍵穴の暗闇に陥るように
緊張した瞳で開ける蜘蛛の糸のような朝。
   (張り詰めたガラスの向こう側を
   マンボウはゆっくりと飛ぶ。
   熱帯魚は7色で話しかける。
   深海魚は静かに瞳を閉じる。
   すべての暖かい目で喜びを与えたい。)

 私は階段を駆け上がりドアの向こう側へ飛び出す
そして足を前へ突き出したけれども外はあまりにも眩し過ぎた
母が苺ミルクを買ってきてくれたけれども
穏やかな温もりが不安に変わっていくのを感じ
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