くちづけ/水在らあらあ
 
 愛して 愛して 傷つけて 傾いて
 輝きを 増して) 

詩は 詩人には捕らえられなくて
詩人は 詩には なれなくて
詩 は 中にあって外にあって
だったら黙っていればいい
黙って あきらめて 微笑んで 
ただ愛して
ただ生きたらいい

真っ赤なドアをもう一度叩くから
真っ赤なドアをもう一度だけ開いて
そしていつかと同じように
もう一度
靴を脱ぐ前に
くちづけをして

草むらに寝転んで
流れる雲にいちいち名前をつける君の
白い頬に
キリギリスが鳴いて

カモメ達が飛び交って
海を見下ろす崖の上に 寝転んで
ジョナサンを探していた
あの詩人を

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