CHE.R.RY(不完全版3)/円谷一
苦労して書き上げた詩を見直して 僕はベランダに出て溜め息をつく
携帯の着うたフルでYUIの「CHE.R.RY」をイヤホンをして聴きながら君のことを想う
片手には缶ビール 時々ハモるように口ずさむ
夏の星座が綺麗だ 僕は闇の中でじっと思考する
この歌は春のことを唄っている 僕の春はこの心の中にあるんだ
君がソメイヨシノの下でCHE.R.RYを歌っている 何度も何度も
ここは深い森の中 誰も立ち入ることのできない場所
僕と君はまだ15才で 汚れることを知らない子供だった
これから先君と離ればなれになるとは思わない僕は毎日一緒にいた
自動車の音の集合体が原子爆弾のキ
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