詩と詩論(その2)/生田 稔
 
文は去年の5月に作成したものである。その後どうしても筑摩書房刊の「現代詩集」が何処にいったのか見当たらないのである。川路柳虹に就いて是非述べたかったのであるが、これでは図書館にでも行かねば。気分的には今日でないと続きがかけそうでない、では芸術論からはじめるかということなのである。
 芸術は宗教から始まった。大方はこれを納得されるであろう。その例は漢字の語源に見られる。まず、美という字をご覧ください、これは羊という部分と大きいという部分に分かれる、漢字研究家の白川静そのほか一般にこのことを知る人は多い。
 美しいとは、大きな羊を、つまり肥えて脂ののった羊を供えることであった。聖書にもその例がある
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