騒がしくなる駅/円谷一
 
り 何を食べようか意識が飛んであれこれ考えていた でもこの景色が恋しかった 時刻は7時5分前だった
 いつの間にかタクシーが僕の前に一列に沢山並んでいて ドライバーが大きな欠伸をしていた
 ただ美しいビルの風景を眺め タクシードライバー達の様子を交互に観察していた 僕の趣味はもしかしたら人間観察なのかもしれない 人にはとても言えない趣味だ 近い内に僕もタクシードライバーをやっているかもしれない 都会はようやく動き出したらしい 賑やかな1日が始まろうとしている
 結局ラッシュ時までここに留まって 僕は銅像のように構内に流れ込む人々を見ていた いつになったらこの流れが終わるのだろうと思いながら 
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