イメージ‥‥十二/soft_machine
 

空というものを見た日から
瞑想はつまらなくなったみたいだから
次の渡りまでひと眠りとするよ

 *

愛と情の切れ切れのこととそれ
担いでゆかねばならない

空梅雨のアスファルトは
燕の影が遅れて連れられ
蛍の郷に幽霊は住めない

花束のにおいそれと女
いつまでも収穫の時

 *

橋の両端で回る ふたりの指さきに
ひらべったいコインが球体を見せる かげろうの舞う宵
ビルに半身を欠いたまま 油の匂いに月が沈んだ

鳩と鴉が公園で 同じ夢を眺めているので
そこにふたりが建てる家は ボール紙が金縁の塹壕
何も食わず 何も争わない

 *


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