イメージ‥‥十二/soft_machine
よりもっと重要な秘密だった
さくらは炭素と混ざりあって
くらやみに爆発する太陽になった
髪をうしろからなぜる愉快な風でもあった
久しく忘れていたその風なのに
窓を歪ませるほど吹いた
この歳になってまた荒れ狂うこともあるのだ
*
ジェット機が言うこの頃
鉄鉱石だった時代の夢を見るんだ
ぼくは内地球的なことしか思い描かず
表層での営みのささやか過ぎる歓びや
きみに哀しみや優しさがあることも
気づかなかった
いま空を渡り跳ぶ身になってみると
ジャンプとジャンプの下に
たくさんの息吹がちっぽけにうまれ
たいてい朝焼けの前に失われていくんだ
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