イメージ‥‥十二/soft_machine
い夢
呼吸を覚えた壁はその音に気がふれ
しろ目のアポロンはなみだをしばたき
コローとルノアールのポスターに住む
男と女は名残り惜しんだ
*
にわとりが真夜中に鳴いたので、次の秘密に耳をすますと、姿をなくしてしまった現実感、それははじまりから不在だったのかもしれない、疑い、ゆっくりと赤い繭を解き、老人と売人と娼婦の街は、子どもの影すら貴重な幻だから、いとの端から水につかる時、吐息の中に絶望できるのは、まだ両足は動いているから
*
鉛筆にかみつき続けた
肌にいのちを求めるあれより
あらゆることがいきるすべてだった頃
さくら軸の鉛筆の味は
あれするより
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