性癖/Itha
したちは
ああ勿体無い
そんな事をいっても水槽の中に届くことはない
はりがあって白かった肌は
大きく膨れ、やがてしわしわにしぼみ
どこまでも深く吸い込まれてしまいそうな瞳は
根の腐った男をうつし死ぬ頃には白く濁る
体が衰え自由のきかなくなったころには後悔だけが残る
早く大人になろうとわざと駆け足になる少女をみると喪失感で一杯になる
こんな事が思えるのはもう私が少女でない証である
かつて少女だったわたしがこんな事を思っているのだ
きっと今少女である彼女たちも少し経てばこんな思いに囚われてしまうのだ
絶望するするとわかりながらも好きになる
一瞬の恍惚、一瞬の快楽を壊さ
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