おじいちゃん/ちと
 
背が高くてスタイルの良いおじいちゃん。

ちいさくてきれいで、動かないおじいちゃん。

おじいちゃん、おじいちゃん、

血の繋がらないおじいちゃん。

あたしの、たったひとり の おじいちゃん。


もういちど12歳に戻っても、それは最後の夏休みになって、
年賀状は途切れて、
21の梅雨、曖昧な空の下で泣くんだ。

後ろめたくはない。

こんな虚しさを、あと何回越えなくてはいけないの?
大人になれば、そうね、って飲み込めるの?

こんなふうにして生きていかなくちゃならないの?



12歳のままのあたしは、立ち竦んで怯えてる。



小さくな
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