おじいちゃん/ちと
くなったおばあちゃんは、記憶と重ならなかった。
「大きくなったねぇ」
声を出したら止まらなくなるから、歯を食い縛った。
絞り出した「ありがとうございました」は、歪んでみっともなかった。
頬を流れる感覚は、最後まで本物だった。
また会いに来てもいいですか、なんて
言えなかったよ。
どうやって生きればいい?
目が覚めたのは、7時。
おじいちゃんがいて
日常だった、
夢を見た。
寝返りも打たずにもういちど、眠った。
どんな夢だったのか思い出せない。
内側から圧迫されるよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)