白いタルタルソースの伝説(2/2)/hon
に白いタルタルソースなのです。
やがて、ぼくは残ったソースをその二人の頭上からどぼどぼと注ぎながら、至極満悦にひたっていました。
そればかりではありません。ソースにまみれながら二人の少年少女は、ああ、二人は終始笑っていたのでした。そう、笑っていたのです。ああ!
平助は自分自身の言葉に衝撃を受けたのか、いきなりバランスを崩してその場に倒れこんだ。
平助は倒れたまま動かなかった。すぐに場内はざわめいて、――タンカを! 運び出して、早く――誰かが誰かを呼ぶ声が飛んでいた。
場内の重苦しい空気は破られていた。傍聴席にただ一人座っていた中年の男はすでに姿を消していた。やがてタンカと
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