白いタルタルソースの伝説(2/2)/hon
 
しょう。
 さて、T字路でぼくらは笑っていました。男の子は天を仰いで笑っていました。女の子は男の子の上着の裾をつかんで笑っていました。そのうち男の子は顔に左手をあてていました。見ると男の子は鼻血を流しているのです。
 鼻血。――ぼくはいてもたってもいられなくなったのですが、そこで自分の手にビニール袋を持っているのに気づきました。
 ぼくは買い物から帰る途中であり、そこには買ってきた物品が入っていたのです。そんなことも忘れてしまったほど、前後の時間関係からぼくの感覚は切り離されていたのでした。
 ビニール袋に手をつっこんで、夢中になって内部をまさぐりました。
 ぼくが手につかんだのはタルタ
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