理想の世界/円谷一
 
から出るには痛みに耐えられるだけの心を持っていないといけない
 今の僕にはまだそれがない
 何人もの君を詩にしていくにつれて逞しくなっていく
 君は肉体を持たない魂だからだ
 魂を心に入れると傷が癒え 晴れた世界にすることができる
 理想である君の心は僕の心と共鳴し 必ず出逢えるはずだ
 いつまでも待っている 大地は永遠に変化しない
 計り知れない程の時間が経ち やはり雨の降る森の出口で君を待っている
 君はこの上ないほど美しく 僕のことが視界に入らずゆっくりと歩いてくる
 僕は君に初めて声をかける 君は気付き君の傘に凍えた僕の体を入れてくれる
 それからまた永遠とも思える時間
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