白いタルタルソースの伝説(1/2)/hon
 
わった。その教師は神父であった。彼は性善説と性悪説について説明した。性善説とは、生まれたての赤ん坊を無垢で善良な存在と考え、成長とともに悪をおぼえて後天的に悪に染まっていくものであるとして、人間の本性を善とみなす説である。性悪説とは、赤ん坊というものを欲のおもむくままに色んなものを取ったり壊したりしようとする性悪の存在と捉え、大人の正しい教育によって初めて善なるものに導いて成長させることができるとする説である。
 それらを説明しおわると、その教師は突然声を荒げて、性善説なんてバカな話があるわけがない、と一蹴した。こんなバカな説は口にするのもバカバカしいのだけど、そういうことを主張する人間も世の中
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