銀河鉄道の旅1/ワタナベ
 
略ー」

 さらに氏は(一、午后の授業)において、賢治の当時の宇宙観は現在とそれほど違うものではなかったことを指摘しつつ、次のように述べています。
「(五、天気輪の柱)においての文章は作者賢治の脱科学宣言の意味合いを含むものである。」

「では、賢治は科学の否定の上に神話の実在性を構築しようとしたのか。おそらくそれも否である。ジョバンニを生徒という立場に設定したこと自体、神話と科学とが決定的な対立を生じないよう配慮された結果であると見ることができる。というのも(先生)は(大きな望遠鏡で銀河をよっく調べると銀河は大体なんでせう)と生徒たちに問いかけており、これは、銀河が星の集まりであること
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