銀河鉄道の旅1/ワタナベ
以下、(一、午后の授業)
先生は中にたくさん光る砂のつぶの入った大きな両面の凸レンズを指しました。
「天の川の形はちゃうどこんなのです。このいちいちの光るつぶがみんな私どもの太陽と同じやうに自分で光っている星だと考へます。私どもの太陽がこのほぼ中ごろにあって地球がそのすぐ近くにあるとします。みなさんは夜にこのまん中に立ってこのレンズの中を見まはすとしてごらんなさい。
こっちの方はレンズが薄いのでわずかの光る粒即ち星しか見えないのでせう。
こっちやこっちの方はガラスが厚いので、光る粒即ち星がたくさん見えその遠いほうのはぼうっと白く見えるというこれがつまり今日の銀河の説なのです。−略ー
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