銀河鉄道の旅1/ワタナベ
、(五、天気輪の柱)
あああの白いそらの帯がみんな星だといふぞ。
ところがいくらみていても、そのそらはひる先生の云ったやうな、がらんとした冷たいとこだとは思はれませんでした。それどころでなく、見れば見るほど、そこは小さな林や牧場やらある野原のやうに考へられて仕方なかったのです。
ケンタウル祭の夜、において、鈴木健司氏は以下のように述べています。
「ジョバンニが(獣や蛇や魚や瓶の形)の描かれた星座面を見て、「ああぼくはその中をどこまでも歩いてみたい」と思う少年であったことは、この物語が成立する前提条件である。銀河鉄道の夜は科学的物語である前に神話的物語として我々の前にある。」
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