無花果/shu
 
べる
あなたはとたんに怒り出すが
食べ始めるとおいしさが勝る

夢中になってゆびをしゃぶる
甘い汁で溢れたあなたのくちびるをしゃぶる
はだかになってかさなりあってしゃぶりあう

いろんなひとが言う
―そのうちいいことあるからさ
―死ぬ勇気があったらなんでもできるはずだ
―きみだけがつらいんじゃない
そんな言葉より冷たいナイフの感触だけが救いだった
こともなげに首をかしげて
「とにかくセックスしようよ」
という無邪気なあなたの冷たさが心地よかった
―そのままでいいから
―悲しいまんまでいいから

あなたは躊躇なく
わたしを切り開
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