海の児のうた/モーヌ。
た 聖杯を
自分の 手で 握り ながら...
夏は あらゆる ものを 解放 して ゆく
ビーナスは 肉体を 持って いた
顕在化 された 腕や 脚...
白磁なのに やわらかに 曲線が 律動する
それは とつぜん 照射 されたかの ようで
海の いろが ちがって いた
からだの 変様と ふしぎの 瀆聖(とくせい)
トマは おぼれて しまった...
救って くれた K先生の うでの なかで
トマは 眼が さめた
いっぱいに けがれた おもいの あとで
誰かに あやまりながら どこまでも
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