たぶんトロイメライ/朽木 裕
 
いのだ)

分かって貰いたくて、否定されたくなくて私は殊更臆病に息を吸っては吐いている。唯々諾々と。日々を消耗する。血が足りないことがひしひしと実感できて、頭の奥がくらくらした。今、ここで昏倒してそれと同時に世界が終わるといいと思う。心残りがあるとすれば彼の人が傍らにいないこと。ただ、それだけ。

「…どうしたら、そうやって強くなれますか?」

耳に残ったままの不愉快な言葉。私は強くなんかない。生きることにこんなにも薄弱な意思は私を強くはしないよ。なにを食べても味などしない。誰かといればそれが味に変わるだけ。食べたくもないものを無理矢理、胃に入れるだけ。それでも食べることをやめたら私は
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