あまのがわ/前田ふむふむ
 
舞ってあるのだろうか。

私信。
「あなたとの約束は、守れそうにはありません。
    きょう、やはり、たいせつな日です。
       雨が降っていますが、
   あの草のにおいのするところに行ってまいります。」

・ ・・・・・

しばらく、なだらかな素数の羅列が、
    軟らかくなった脈拍の上に引かれる。
       その最後尾を、三度の閃光が通り過ぎて。

     ・・・・・

雨は、蟻の隊列にも、休息を与える。

だから、弱い採光を、ステンドガラスから灯して、
講堂は、わたしに、赤々とした呼吸の滑らかさを与えて、
流れるみずいろの序奏のために
[次のページ]
戻る   Point(34)