あまのがわ/前田ふむふむ
 
のか。
はたして、わたしは、ほんとうに、動いているのだろうか。

動いている。
傷ついた言葉の断片に、
湧き水を口に含んで、微笑むあなたが、
無数の星となつて、
わたしの胸のおくを、流れている。
            生まれている。
               死んでゆく。

・ ・・・・・・

喉が渇いて、熱があるようだ。
音も無く、二つ目の閃光が、
         濡れている眼を突き刺す。

噎せ返る草のにおいのなかを、躰をしずめて歩く。
「父と母が、たどたどしい足取りで、

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