君を尋ねて/はじめ
 
の背に乗って 鶴の目的地へ連れて行って欲しかった
 いや 僕には僕の目的地があるのを忘れていた 君は先にある森の奥のさらに抜けた後の未開の地の先にいることだろう 僕の冒険は君を見つけるまで続く このままだと一生かかっても見つけられそうにない
 親密な闇を潜り抜けて森を抜けると 広大な荒れ地に出た 草は雪に踏んづけられて死にかけて 木々はほとんどが折れていて腐っていて 激しい吹雪が吹いていた
 僕は荒れ地を歩き続けた 手が寒くなってきた そういえば足の先も感覚が無くなってきた いつまでも続いた 僕はついに疲れてその場に倒れ 眠りに落ちようとしていた
 まだ諦めちゃいけない 僕は立ち上がり 視
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