君を尋ねて/はじめ
 
過ぎて 僕は再び山にぶつかった 連なるパウダースノーをかけた山々 もちろん登って歩いていく 何処までも何処までも
 雪原がぽつりとあった 辺りはしんとしている 鶴が片足を上げて立っている おい それじゃあフラミンゴじゃないか 僕は独りでに突っ込んだ
 鶴は動き出しそうにない 何を見ているのだろう あんな小さな頭で何を考えているのだろう きっと次の目的地までの精密なデータが刻み込まれているのだろう それを何度も何度も頭の中で暗唱しているのだろう 僕達には分からない鶴語で 記憶でか
 僕は鶴の近くへ行って 頭を撫でた 鶴は嬉しそうな顔をしているように見えた 人間の自己満足が垣間見えた 僕は鶴の背
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