スベスベマンジュウガニ饅頭/nm6
 
き込んで、ぼくらはハイだ。自慢したくなるような朝と肌で、石の下へと潜って「こっちへおいでよ」と誘惑する君をしばらく見ている。穴があくまでじっと座り込んで、太陽は雲に覆いこまれて、ぼくらはその先にあるものを知らない。そう、ぼくらは知識ではないから。永遠にわからないままでいいのは、君のことだ。わめきあうネオンと飛び交う電波で包み込んでしまう、ぼくらの帰る東京は優しくぼくらの息の根をつまみあげる。きっと擦れてはがれて、そしてなんとなく分かる。またすぐに抱き込まれて見えなくなってしまうその感情は、苦しく締め上げるけれども決して毒ではないのだから。


昨日に名前をつけたのは誰だ。
世界を包み込む生
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