危険な話/佐々宝砂
 
はSFが好きで、ちっちゃなころからSFを読んできました。オタクなんて言葉すらなかったころ、本屋でSFマガジン下さいっていうとSMマガジンと間違えられたような時代から、ずっと。私の母の世代のころはそのころよりもっとSFがマニアックだったから、SFマニアだった母はいろいろと苦労したようです。なにしろSFという言葉すら知られていない時代からの読者なのですから。

作品として好きなものもあるし、作者として好きな人もある、でもそれだけじゃ足りなくて、もっとSFを!という切ない思いで本屋を見渡して、ふと目にとまったものがたとえば『アンドロイド・ジュディ』なぞというどうしようもないくだらんものであっても買わ
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