「ものとおん」#10−#12/リーフレイン
 
ルに入れられた冷やし麦茶と凍らせた麦茶2Lが何の説明もなしにテーブルの上に置かれる。その用意周到さを気味悪く思いながら、正直ありがたいと持って出る。その日一日考えこみつつ、いつもの飲み屋で夕飯を食べてから帰途につく。

灯りのついた硝子戸が夜目にまぶしい。
「おかえんなさい」
「おまえさん、まだおったんかい。」
「あたりまえでしょ、夕飯はどうしますか?」
「もう食ったよ。」
むずがる赤に乳をやっている。中年と思ったのは間違いで、白い乳はまだまだ若さを感じさせるものだった。 プツンと張りのある乳房を惜しげもなく出して口に含ませる。30前の肌だ。
「ほう、母乳か。」

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