「ものとおん」#10−#12/リーフレイン
「安いですからね」
口では蓮っ葉ないい様だが、顔はうっとりと赤子を見つめ、母の顔とはこういうものかと思った。ひとっぷろ浴びて寝る。
コップに雑草が挿してあった。
数日後、「今日は夕飯も頼む」といい置いて、1000円を渡す。
この女を抱いちまったら俺の負けなんだろう。まあ、このご面相だ、赤がいるっつだけでも不思議ってなもんだ。いや、どこのどいつがこんな女に、はは。肌が白いぜ。 しかし女ってなあ体臭がきつい。乳やってるせいなんやろか?脂粉てなあこういうのいうんだ。 歌なんか歌ってやがるぜ。雨が降ってきやあがった。仕事はなしだな。
「今日はタンポポかぁ。」
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